弁護士のメモ帳 不動産編 Vol.4

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 このメモ帳では、当事務所の弁護士が実際に関与した案件などを参考に、相続問題や不動産問題についての話題を綴ります。今回は、借地権の譲渡についての話題です。

土地を人から賃借してその土地上に建物を建築した場合、様々な事情でこの建物を手放す必要が生じたときに、この建物を地主に無断で第三者に売却することができるでしょうか。このような借地上の建物を第三者に譲渡することは、「借地権の譲渡」に該当するとされています。

そして、民法上、地主の承諾なし借地権の譲渡をすることは禁止されており(民法612条第1項)、これに違反することは借地契約の解除事由とされているほか(同第2項)、一般的に借地契約の契約書のほとんど全てに借地権について地主の承諾なしに譲渡することを禁止する旨の規定がされています。

そのため、先ほどの例では地主の承諾なしに借地権を譲渡することはできないということになります。

しかし、地主が理由なく借地権の譲渡に応じない場合には、借地人は借地権を処分することができずに、借地権という資産の有効活用ができないとの不合理な事態が生じてしまいます。

このような不合理な事態を避けるため、借地が第三者に譲渡されたとしても借地権を譲渡することを地主が許可しない場合には、借地人は裁判所に対し「地主の承諾に代わる許可」を求めることができるとされています(借地借家法19条第1項)。

具体的には、「借地非訟手続」といった手続で譲渡を許可するか否かが判断されることになりますが、裁判所はこの判断をするにあたって「賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。」とされています(借地借家法19条第2項)。そして、実務上、借地権譲渡が許可される場合には、地主に対する一定額の譲渡承諾料の支払いが条件とされることが多くなっています。

当事務所でも、借地人側と地主側の両方から上記のような借地権譲渡に関する相談が寄せられることが多くなっており、特に借地権の譲渡については、土地自体が高額であり借地権の価値も高くなる都内において増加している傾向にあるように思います。そして、そのような場合には特に当事務所のように借地非訟手続の経験を有する弁護士による、話し合い段階からのサポートが有益な場合が多いかと思われます。

当事務所では、借地人側と地主側のいずれの側からのご相談も受け付けておりますので、借地権の譲渡についてお考えの際には早期に是非一度ご相談下さい。                                                                                                                                                                         以上

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